Rosso Laboratory

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主に鉄道模型シミュレーター(VRM)などの仮想鉄道アプリを扱うブログです。またHDR写真の記事も書いています。

瓦屋根

先日の続きで、前に作っておいた緑青色っぽい瓦屋根のテクスチャーを貼ってみる。



形状バランス的におかしい事は置いといて(笑)、瓦の陰影が弱いし、直線的で立体感が全く無い。よって、もう一度作り直し。

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色味は後で合成すれば良いので、まずは無彩色にて。



作り直した屋根テクスチャーは、瓦の曲線を再現し、影となる端面を強調してみた。テクスチャーは、CorelDRAW(ベクター)で素材を作って書き出し、CorelPhotoPaint(ラスター)でレイヤーとして合成し仕上げている。

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<ちょいと解説>
この手法も啓明氏が解説されたテクスチャーの作り方と基本的には同じである。陰影や汚れだけでなく、木目や色なども別の絵として作っておき、後から形などを合わせてレイヤー合成する。直接バックグラウンドに書き込んでしまうと後から修正するのが大変なので、各工程をレイヤーに分けて保存しておくということである。そうすることによって修正が楽になり、例え最初に上手く作れなくとも、徐々に修正していくことでリアルな2Dテクスチャーを作り上げていくことが出来る。なので、製作過程用のレイヤー付きデータ(.psd等)と実際に使う一体化してレイヤーを無くしたデータ(.tga)の2つを常に保持しておくこととなる。

なお、啓明氏はShadeの解説本から「ソフトライト」合成を紹介されていたが、「ソフトライト」は結構効果が弱めなので、どちらかというと一枚絵で勝負する静止画向きであると私は考えている。つまり、「ソフトライト」を使うパターンというのはレイヤーやら材質設定やらを何層も重ねて複雑な表情を再現することに向いている。しかし、リアルタイムレンダリング上では視点が動くので、あまりに複雑で微妙な表現をしてもそれほど目立たない。よって、少し効果を強めにして、やや単純な表情にしておいた方が効果的だろうと思われる。そんな訳で、私は「ソフトライト」ではなく、「テクスチャー化」という合成を使うことが多い。上図の木造校舎の木目や色が正にこの合成である。

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さて、ここでKenichiro氏の瓦屋根を参考にしてみる。



Kenichiro氏の瓦屋根を見ると光沢があり、光源からの反射が再現されている。構成内容を調べてみると、これがノーマルマップに拠る効果だと判る。前にも書いたが、gmaxではノーマルマップが扱えない。よって、これを再現するならばBlenderを使うしかない。

gmaxは書き出しが貧弱で、gmax上で作ったものをBlenderに持っていくことは恐らく出来ない。よって、このモデリングはShadeなどで作って3ds化し、gmaxとBlenderの両方に持っていける様にするとしよう。まずはgmaxで仕上げ、Blenderが使える様になればノーマルマップを使った1ランク上のモデルに切り替える。秋葉原Blenderの解説本を買ってはきたが、3DCGツールというものはそんなにすぐに使いこなせるようなモノではない。なので、焦らず、じっくりと、先を見越して進めることが必要である。

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私は当初から、書き出しや読み込み、対応テクスチャーの種類等を調査してきた。その理由が正にこれである。

それらの情報からモデリングの手法を決めるだけではなく、ソフトの組み合わせ方をどのようにするかという根本的な作業の流れすらも変えるのである。もし今回のモデリングをgmaxで作っていたら、瓦屋根の光沢を再現したいと思った時に、再びBlenderで1からモデリングしなくてはならなくなる。そういった無駄を省くためにも下調べは重要なのである。

・・・と偉そうな事を書いているが、要するに今までに何度もこういった事で痛い目を見てきたというだけのことよ(笑)。

最初からBlenderをチョイスすれば恐らく問題は少ないはずだ。しかし、BlenderUNIXベースのインターフェイスなので、Windowsしか使ったことのない人には多分とっつき辛いだろう。その点では恐らくgmaxの方が扱いやすいはずである。しかし、gmaxでは出来ないこともそれなりにある。

あまり深入りせず、それなりのモデルで十分と考えるならばgmaxの方が良いだろうと思うが、判断の難しいところである。故に私はShadeに逃げる(笑)。これが3D経験者の僅かだが、大きな特典だ(前にも書いたがShadeはProfessional版でないと3dsは書き出せないので要注意)